ポリス1000資料館
ポリス1000の歴史
カワサキ ポリス1000とは
1972年5月に世界初の量産DOHC FourとしてデビューしたZ1
(KAWASAKI 900 Super4)をベースに、ポリス仕様として開発されたのが、
カワサキ ポリス スペシャルことZ1Pである。
当時アメリカでは、様々なメーカーがポリス仕様を販売していたが、
1973年3月にZ1Pが登場してから、アメリカにおけるポリスマシンのシェアは、
それまでとは大きく異なってしまった。
世界最強の高速機動隊、カリフォルニア ハイウェイ パトロール(C.H.P)で正式採用され、
Z1の人気を考えれば、当然といえば当然であるが、
安定性よりも操縦性を重視したZ1のポリスタイプということで、
オフィサーたちのからの評判もよく、スタイリッシュでよく走り、
しかも価格はハーレーの約半額。
そして、ベース車両がモデルチェンジしてKZ1000A1に変わると、
ポリスタイプもKZ1000C1となり、車名もこれ以降、KAWASAKI Police1000と呼ばれ、
生産も本格的になり、瞬く間にカワサキのポリスマシンは、
アメリカ全土に広がっていったのだった。
その後も、Police1000はベースモデルとリンクして改良を重ね、
KZ1000MkUベースのC2〜C3、ベースは同じながら初のカウル付きモデルのC4。
そして、KZ1000JベースのPタイプとなって、2005年まで作り続けられた。
Pタイプは、1986年のP5モデルから、カリフォルニアの排ガス規制に適合させるために、
若干のパワーダウンを受けたようだ。
それまでの最高馬力92hpから80hpにダウンしているので、
かなりパワーダウンしたと言っても良いくらいだ。
時期を同じくして、ハーレーポリスがC.H.Pに採用され、ハーレーの復活かとニュースになったが、
カワサキ ポリスに慣れた隊員達に、重く遅いハーレーは受け入れられなかったようである。
ここから先は、ポリス1000の独壇場となり、長い間その座を守ってきたのである。
アメリカの映画の中でも、カワサキ ポリスは大活躍していた。
現役を退いたカワサキ ポリスの行き先。
それは、様々であるが、その中の一部は、ハリウッドで撮影のために使われたのである。
白バイ野郎ジョン&パンチでもそうだったが、本物のカワサキ ポリスを使用している。
中には新車もあるが、クラッシュシーン等に使われるのは、現役引退組の中古車両であった。
転倒したり、飛んだり、燃えたりしているのを見ると、非常にもったいない気がするのは、
私だけではないと思う。
キアヌ・リーブス主演のスピードでは、90年代に撮影されたにもかかわらず、
1台だけCタイプらしき車両(ハーレーかもしれない)が混ざっていた。
映画を見ていても、ストーリーそっちのけでついついカワサキポリスを探してしまうのが、
このサイトに来る人達の癖であろう。(笑)
長い間、王座を守ってきたカワサキ ポリスも、ついにその座を奪われてしまう時が来る。
1999年頃から、BMWがポリス用に作ったマシン、R1100RT−PがC.H.Pに採用され、
瞬く間にカワサキ ポリスを脇役に追いやったのだった。
ABSを装備している点が、ポイントとなったらしいのだが、基本設計が違いすぎるので、
全く戦いにならないのが当たり前だが、予算に余裕がない田舎警察等は、
まだカワサキ ポリスを採用し続けるのであった。
そう簡単に、カワサキ ポリスの歴史は終わらない。
カワサキ ポリスも2002年モデルでは、大幅にマイナーチェンジを図ったのである。
ABSこそは付いていないものの、ブレーキ性能を向上させて、グラフィックも変更している。
今になって考えてみると、これまでの20年間グラフィックの変更は、一切無かったのである。
恐ろしい話だ。(笑)
それだけPタイプは、洗礼されたデザインだったのである。
BMWはどうかというと、すでに2003年からR1150RT−Pにモデルチェンジしており、
R1100RT−Pオーナーに悔しい思いをさせているようだ。
変わらないことの難しさ。それをいとも簡単に実現しているのが、
カワサキの単車の凄いところだと思う。
単にカワサキの予算が無いことが、功を奏しただけかもしれないが、
オーナーとしては、それはそれでうれしいことでもあるのだ。
しかしながら、時代の流れとは無情な物で、2005年モデルを最後についに生産中止となった。
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